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千葉工業大学 藤井研究室

建築構造物の地震応答評価,耐震構造

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平成28年熊本地震で被災した宇土市役所本庁舎の被害調査

このページの最終変更日 2017年3月1日

日本地震工学会-大会2016にて発表したときのポスターはページ末尾にあります。

1.概要

 平成28年熊本地震において,5階建て鉄筋コンクリート造の宇土市役所本庁舎は4階部分がほぼ崩壊するという大きな被害(大破)を受けました.建物内への人の立ち入りが非常に危険な状態の中,千葉工業大学未来ロボット技術研究センター(fuRo)と共同で,ロボットによる本庁舎の内部撮影も含めた被害調査を行いました.
 
 
調査で使用した災害対応型移動ロボット「櫻壱號」

宇土市役所本庁舎(2016年4月撮影) 
2.外観調査ならびに「櫻壱號」による内部調査結果



  調査時のVTR(撮影:fuRo)はこちら(YouTubeのサイトが開きます)

3.志賀マップによる簡易な耐震性能の分析

 建設時の図面に基づき,志賀マップによる簡易な耐震性能の分析を行いました.


 
 分析の結果,
  • 一体で評価した場合:1~2階がゾーンA(危険),大きな被害のあった4~5階はゾーンB,C
  • 事務棟・階段棟を別々に評価した場合:事務棟は全階でゾーンA,階段棟は全階でゾーンC
 
 見解:
  • 一体で評価した場合,確かに本庁舎の耐震性能は低いと判定されるが,評価上は最も危ないのは1~2階であって,大きな被害のあった4~5階はゾーンB,Cとなっていることから,実被害とは対応しない.
  • 事務棟・階段棟を別々に評価した場合,確かに事務棟は全階で危険と判定されることから,こちらの場合でも本庁舎の耐震性能は低いと判定される.しかしながら,実際には階段棟の5階にも大きな被害があったのに対し,評価上は階段棟は全てゾーンCとなっていることから,こちらも実被害とは対応しない.
 →どちらの評価でも,本庁舎の耐震性能は「低い」と判定できる.ただし,実際の被害とは対応しない.

 被害と対応しない理由:以下の理由が考えられる.
  • 本庁舎は,上の階で柱の断面を著しく絞っているため,この分析で考えている以上に上層部に大きな地震力が作用した(上の階が,この分析で考えている以上に大きく振られるような外力分布であった).
  • 本庁舎を一体の構造物として考えた場合,階段棟に壁が多くあって事務棟に壁が少ないことから,地震時に事務棟が大きく振られるようにねじれて応答した可能性があるが,その影響は上記の分析には考慮されない.

4.まとめ
  • 本庁舎の被害:4~5階に集中.特に事務棟4階中柱と西面側柱で軸方向崩壊.
  • 志賀マップによる簡易な耐震性能の分析結果:本庁舎の耐震性能は低いと判定できる.

注)本調査に関しては,下記で発表を行っている.
藤井 賢志,吉田 智章, 西村 健志, 古田 貴之 : 平成28 年熊本地震で被災した宇土市役所本庁舎の被害状況と分析,日本地震工学会・大会-2016梗概集,P3-7, 2016年9月
・吉田 智章, 西村 健志, 藤井 賢志, 古田 貴之:  クローラ型移動ロボット“櫻壱號”を利用した宇土市庁舎の調査,第34回日本ロボット学会学術講演会予稿集,RSJ2016AC2U1-07, 2016年9月

日本地震工学会大会-2016での発表ポスターはこちら

謝辞)
 本HPの内容は,本研究室が千葉工業大学未来ロボット技術研究センター(fuRo)ならびにMr.サンデー(フジテレビ・関西テレビ)との共同撮影を元とした調査結果を取りまとめたものである.本調査の遂行に際し,宇土市役所の皆様にはご多忙な中,多大な協力を賜りました.ここに関係各位に謝意を示します.